明石市・加古川市・播磨町・稲美町等の補助により、発達障害・知的障害・精神障害・心の病気・ひきこもり・ニート・自閉症・アスペ ルガー・ダウン症・学習障害(LD)・ADHD・難病の方等にさまざまなサポートをおこなっている、明石市にある障害者施設 波の家福祉会です。 明石市・加古川市 の発達相談・発達支援をおこなっています。

「僕が兵庫明石高等学院をつくったワケ」

僕の子供(現在26歳)は、いわゆる最重度の障害児です。

自閉症で多動で、てんかん発作はおさまらず、知能は4歳程度と言われています。
学校は、当然地域の特別支援学校にずっとお世話になっていました。

もう十数年も前ですが、ある日保護者会があり、初めて特別 支援学校の保護者面談に行った時のハナシです。 職員室に行く道が分からずウロウロしていると、「どうしたんですか?」 1人の多分高等部の女子生徒が声をかけてくれました。 そして、部屋まで案内してくれました。フツーにしっかりしている女の子です。 この話だけを聞くと、フツーに聞こえるかもしれませんが、僕は、ものすごい違和感を強く強く感じました。

「その女の子とウチの子供が同じ学校に通っている事に。」

そもそも、特別支援学校というものは、「ウチのような子供ば かりじゃないのか?」つまり、当時はウチのような高校もなく、 公立高校には行く学力はない。かといって高額の費用(年間 100 万円程度)がかかるから、通信制通学校にも通えない。

また、現在少子化で生徒の定員割れが続いている私立校にも入学できても、卒業ができない。 (実際、僕は神戸の某私立高校の教員の研修に2年連続で講師として呼ばれ、その学校の卒業率を聞いて、卒倒しそうになりました。 なんと6割台なんです。) つまり、生徒が集まらないので、何でもかんでもいれて、 やっと入学できても、結果的に勉強にも人間関係にもついていけ ず辞めてしまう。

結果、再度さらに通信制高校に入りなおすという悪循環。経済的な面でも、 親にとってはたまったものではありません。 それでも、通信高校でやってゆける子供ならまだマシです。 発達障害のお子さんには、当然ある種特別な支援が必要となります。

発達障害に対する知識や専門性がなければ、結局同じ事を繰り返すのです。 実際ウチの生徒の5人に1人は、他の通信制高校や他の私立高校からの転入生なんです。

もし、あの時あの女の子に、ウチのような高校があれば、、、。

経済的な負担が少なく、発達障害に関しては、高い専門性をもつ、ウチの教職員の支援があれば、、、。 あの女の子はフツーにウチの高校を卒業できていたはずで す。 特別支援学校を否定するつもりは毛頭ありません。 実際、僕の息子は本当によくして頂きました。

しかし、能力の高い子がウチのような重度の子供の面倒を見るというような、 現在の特別支援学校のクラス編成には、強いギモンを感じます。

何よりも、ほんのちょっと背中を押してあげれば、 普通高校を卒業できる子供たちがたくさんいるんです。 子供にとっては、この先何十年も自分の出身校が「特別支援 学校」と「普通高校」とでは、天と地ほど違います。 普通高校卒業という自信を一生もち続ける事が出来るのです。 だから、3 年前、当時、教育・福祉関係者から異口同音、 「そんな事が出来るわけはない」との反対の意見をおしきって、 兵庫明石高等学院を作りました。

これが、僕が兵庫明石高等学院をつくった理由です。 しかし、最近はいろんな通信制サポート校の方が私共のマネをし始めましたが、 そもそも専門性や支援の手厚さで私共のマネができるワケがありません。

初年度の初日の生徒はわずか8名。 それから4年の歳月を経て、この3月には、27名の卒業生それぞれが就職先の会社や大学、 専門学校などに巣立ち、みんな元気で過ごしています。

令和元年 7 月 13 日
波の家福祉会 理事長 伊藤隆

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